男性は性的刺激が上手に脳に伝わり、男性器へ十分に血液が流れれば、男性器は正常に勃起します。
しかし、勃起がうまくいかない、もしくは途中で柔らかくなってしまう場合は、この勃起の流れを阻害している何らかの原因があると考えられます。
男性器の性的刺激がうまく脳に伝わらず、血液の流れが悪くなった状態のことをEDと言います。
勃起が維持できなくなるEDの原因は実はひとつではなく、いくつかの原因が重なり合い、勃起不全を起こしているということが近年までの研究で解明されてきました。
EDが発症する原因には大きく分けて4つのタイプがありますが、ここでは器質性による障害と心因性による障害を説明します。
心因性EDとは
心因性EDとは、不安や心配事などストレスが原因となって起こるEDの症状のことをいいます。
検査しても何の異常もみられないため本人にも自覚がないことが多く、原因を探るのか難しい種類のEDでもあります。
また、このケースは一人で思い悩み誰にも治療や相談ができないまま時間が経ってしまうことが多く、結果として症状が重くなってしまうケースも珍しくありません。
心因性EDは、さらに自分ではっきり自覚ができるストレスがある現実心因EDと、自分でも自覚できないストレスを抱えている深層心因EDの2つに分類できます。
現実心因EDは「パートナーからの期待に応えられない」「妊娠させることにプレッシャーを感じる」「仕事で疲れている」などさまざまな要因が重なり、ストレスを自覚していることで起こる症状です。
それに対し深層心因EDは、例えば過去に受けた虐待や恐怖体験などのトラウマにより、自分でも気づかないうちに負った心の傷が原因で発症するEDとなっています。
精神的要因によるEDの治療は、まず現在抱えている悩みが現実心因か深層心因かを突き止めることから始まります。
またEDの治療と平行して、精神分析しながらうつ病の治療も同時におこなうことがあります。
この場合は、自信をつけることで回復が早くなる傾向があるので、パートナーの協力も必要不可欠です。
器質性EDとは
器質性EDとは、病気や疾患が引き金となって起こるEDです。
神経や男性器自体に問題があるために発症するもので、 器質性EDを治療するためにはその原因を突き止めることが一番の近道となります。
ただし器質性EDには多くの症状があるため、病院で検査を受けしっかりとEDの原因を調べる必要があります。
器質性の主な原因は、大きく分けると血管性・神経性・内分泌性・外傷性の4つに分類されます。
まず血管性についてですが、これは加齢による血管の老化が原因で男性器に流れる血液が流れにくくなることで発症します。
また神経性は、神経回路や骨盤の損傷が原因で、脳と陰茎にある神経の伝達物質が流れにくくなることで発症します。
この神経性EDはパーキンソン病や膀胱がん、前立腺がんなどを発症した後に起こりやすい症状であるといわれています。
内分泌性EDは、男性ホルモンであるテストステロンが阻害されることで発症します。
さらに外傷性EDは、生まれつき男性器に異常があったり、手手術後に勃起しなくなることが原因で起こります。
このような器質性EDは、原因を特定することさえできれば、それぞれの症状に合った治療をおこなうことが可能ですので一番わかりやすいEDと言えるかもしれません。
内服薬や補助器具を使用し勃起不全を改善していくことも可能です。
なお手術が原因で一時的にEDになってしまった場合も、この器質性EDに含まれます。
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