バイアグラの有効成分

バイアグラの有効成分

バイアグラの主成分であるシルデナフィルがPDE5という酵素の活動を阻害する作用があることはこれまでも触れてきました。

PDE5が脳からの指令を受けて血液中に放出されることから、シルデナフィルは「脳を介した血流の促進作用」が期待できるとしてED治療以外への応用研究がされています。

まず肺性高血圧症の発作を抑えるための治療薬「レバチオ」という薬が、2008年4月に国内での認可が下りて以降、臨床医療において用いられています。

EDと肺性高血圧以外にも、シルデナフィルの応用研究には慢性心不全、新生児の心室中隔欠損症や動脈管開存症、開心術中および術後の免疫調整、急性肺障害などもあります。

EDは直ちに命にかかわる病気ではありませんが、肺性高血圧や慢性心不全は発作を起こすと命にかかわる危険な症状ですので治療薬の開発は率先して行われてきました。

症状は違っていても、シルデナフィルは血流改善効果のとても高い薬剤でありバイアグラに関しても医師や薬剤師の指示のもと注意点を守って服用することが大切です。

 

心因性EDにも効果があるバイアグラ

EDには大きく分けて「心因性ED」と「器質性ED」の2つがあります。

それぞれ単発で起こることもありますが、併発して起こることが多く原因も複数重なって起こると考えられています。

心因性EDは、ストレスや疲労、うつ、不眠、マンネリなどの精神的な要因で起こり、器質性EDは、高血圧や糖尿病、低血圧などの身体的な異常が原因で起こります。

また男性は40歳頃になるとLOH症候群と言う、女性の更年期障害のような症状が起こります。

これは男性ホルモンの分泌量が低下することによって起き、性ホルモンの低下は自律神経の乱れ、情緒不安、性欲低下(心因的ED)、器質性EDの原因となり体内のPDE5の代謝バランスの乱れに繋がります。

臨床検査により上記のような心因性、器質性EDに対するバイアグラの改善効果は80%近いことが証明済です。

ここから正常な勃起の仕組みについて順を追って説明しましょう。

まず、視覚を主に性的な刺激を受け、自律神経(中枢神経)が興奮状態となり、興奮は脊髄神経を伝い陰茎平滑筋へ伝達され、一酸化炭素濃度が上がり全身の血液量が増します。
すると陰茎平滑筋内でアミノ酸「cGMP」が大量に製造され陰茎動脈の血流が急上昇し、同時に静脈への血流が抑制され海綿体組織に血液が充満し勃起状態になります。

射精を合図にPDE5が活性化してcGMPの代謝を促し、静脈への血流は再開し、勃起が静まり平常状態へ戻ります。

本来PDE5はcGMPと共に代謝され、再び取り込まれることはありませんが、EDの場合は射精後もPDE5の過剰活性化が起こり体内に留まり続けてしまいます。

そこでPDE阻害剤であるシルデナフィルが投与されるとPDE5の活動を阻害し、陰茎への血流を上げることで正常な勃起状態に導きます。

 

シルデナフィルの他の適応症

PDE5は肺動脈平滑筋内にも多く存在していることが確認され、2000年頃から肺性高血圧症(肺動脈に血栓が生じ血流障害を起こして心不全を招く病気)への適用についても臨床検査が進められ、2008年に承認されました。

以下がシルデナフィルが含まれる医薬品です。

20mg内服薬
レバチオ、レバチオOD、レバチオ懸濁用ドライシロップ(肺性高血圧治療)

25mg内服薬
バイアグラ(ED治療)

50mg内服薬
バイアグラ、バイアグラOD、シルデナフィル(ED治療)

 

他にもバイアグラジェネリックのカマグラやセンフォースなどにもシルデナフィルが含まれていて同じED改善効果を持ちます。

 

ED治療は自由診療のため保険適用外ですが、肺性高血圧症としてのレバチオの投与は保険診療になり保険が適用されます。

発作によって命に関わる危険性があるエコノミークラス症候群は即効性のあるレバチオを頓服薬として投与されることもありますが、慢性的な肺性高血圧症の場合は1日3回、内服薬として服用します。

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